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キャッチセールスなどで、未成年者がセールスマンに自分の年齢を正直に述べたのに、セールスマンから、虚偽の生年月日の記載をするよういわれることがある。 親がその契約を取り消すと、「契約書に虚偽の記載をしている。
詐術に当たるから、取り消しはできない」と主張してくるのである。 場合には、未成年者はセールスマンに事実を説明しており、相手をだまそうとする意図もないので、取り消すことができる。
未成年者がセールスマンから勧誘され、「親にいうと反対される」といったのに対して、セールスマンが「内緒で契約しちゃえば平気」などといって契約させるケースもある。 こうしたケースでは、親が取り消しをすると、「お宅の子供が親に内緒で契約したいといったからそうしてやったのだ。
親のしつけができていないことを棚に上げて、事業者の責任にするな。 親として責任を取れ」などといってくることもある。
事業者の態度は根本的に間違っている。 未成年者本人は「親の同意は得られない」といっているのだから、事業者は、承知で契約しているはずだ。
あとで親か高齢者などの取引20歳になると、一律に成人とみなされる。 20歳以上でも、判断能力が不十分な人もいる。
高齢社会になって、痴呆になる高齢者もいるし、知的障害のある人もいる。 判断能力が不十分な人のノーマラィゼーションのための支援制度として、「法定成年後見制度」がある(以下、単に「成年後見制度」とする。

法定成年後見制度に対して「任意成年後見制度」があるが、本書のテーマからはずれるので、ここでは扱わない)。 成年後見制度は、判断能力の程度に応じて、「成年後見」「保佐」「補助」の3種類がある。
成年後見制度は、本人の居住地の家庭裁判所に申し立てをすることにより、家庭裁判所の審判によって開始することになっている。 家庭裁判所の審判開始の決定があると、東京法務局に登記される(全国どこでも東京法務局の扱いである)。
成年後見制度の適用開始後に締結した契約については、成年後見制度の保護制度の適用がある。 ただし、家庭裁判所の開始決定以前に締ら取り消しをされることは十分予想でき、それがいやなら契約しなければよい。
親に連絡をすれば、契約してもらえないことがわかっているから、あえて親に内緒で契約しようとそそのかしているわけで、取り消しは当然有効である。 契約にまで遡って適用されるわけではないので、判断能力が低下してきたと感じられる場合には、早めに手続きを取っておくことが、活用のためのポイントである。
成年後見制度の申し立てをすることができるのは、本人、四親等以内の親族、後見人、保佐人、補助人、市区町村長である。 市区町村長というのは、具体的には、身寄りのない成人で判断能力が不十分な人について、居住地の市区町村の福祉事務所などの判断によって、本人のために必要な支援策を講じることができるようにとの配慮から定められたものである。
消費者と事業者とは対等ではないため、構造的に消費者被害が起こりやすい。 消費者保護基本法では、消費者保護のための基本的理念を定めている。
ここで注意したいのは、消費者保護基本法では、行政に消費者保護のために必要な施策を講ずる責務があることを定めているだけでなく、事業者にも消費者保護の責務があること、行政の行なう消費者保護の施策に協力する責務があることをも、明記していることである。 商売なのだから売れればいい、という考え方は正しくない。
仕入れた商品を誰にどういう売などの職業的専門家、社会福祉法人などの法人から選任される。 選任された人は、本人の状況に応じて、身上監護・財産管理の業務を行なう義務がある。
必要に応じて、複数の成年後見人(保佐人、補助人)を選任することもできる。 たとえば、身上監護は親族から、財産管理は弁護士にというふうに、役割分担することも可能である。

商売でも、常に消費者の権利・利益を損なわない配慮をすべき責務があるのである。 なお、現在(2004年4月)、同法の改正法案が国会に上呈されている。
改正のポイントは、消費者の権利を明確化する、行政の施策の内容に取引の適正化をもり込む、などである。 法律の名称も「消費者基本法」と改正される見込みである。
消費者契約法は、2001年4月から施行された。 2001年4月以降に締結されたすべての消費者契約に適用される。
消費者と事業者とは対等ではなく、様々な格差がある。 典型的な格差が情報の質と量の格差、交渉力の格差である。
消費者契約では、契約当事者が対等ではないために、契約内容は協議の余地がなく、事業者が一方的に決めているのが現状で、消費者にとっては不利である。 生活上必要な商品やサービスは、契約内容が不当でも契約しないわけにはいかないこともある。
消費者が不公平な内容に気づかないまま、契約してしまうことも多い。 被害にあった場合にも、十分な情報がない上に交渉力も対等ではない消費者が、事業者との間で被害を解決することは困難なことが多い。

消費者契約法は、消費者と事業者との格差により消費者被害が発生することを明確に指摘し、是正して被害を防止し、消費者被害を救済するための当事者間ルールを定めたのである。 情報の質や量の格差のために、消費者は、事業者から契約の内容などについてきちんと説明してもらえないと間違った選択をしてしまう危険がある。
交渉力格差のために、勧誘をうまく断ることができず、不必要なものを買ってしまうことも消費者契約では、消費者と事業者との間に格差があるために、構造的に被害が発生しやすい。 消費者がどんなに努力しても、被害を防ぐことは困難である。
消費者被害を防止するためには、事業者に消費者との格差につけ込むことをさせないことが必要である。 消費者契約法では、事業者に対して次の二つの努力義務を定めている。
事業者は、契約の条項を定めるに当たっては、その内容が消費者にとって明確かつ平易であるように配慮しなければならない。 事業者は、契約の勧誘をする場合には、契約の重要な事項については、消費者に対して説明するよう努力すべきである。
事業者が決めたり作ったりしている契約条項や契約書が、消費者にとって読みにくいものだったり、意味がわからないものであったりすることは少なくない。 消費者の多くは、「もともと契約書というのは、そういうもの。
素人にはわからないのは当然」と思って、読みもしないで署名捺印する。 読んでもわからないという場合にも、「そういうものだ」と署名捺印してしまい、事業者から「こういう意味ですよ」と説明されると、本当にそのとおりなのかを確認しないままに署名捺印してしまうことが多い。
実は、大変な間違いである。 契約書は、事業者がお客である消費者に対して「こういう内容の約束になりますが、いいですか」ということを確認し、明確にするために作成するものである。
読めない、読んでもわからない契約書には、署名捺印してはいけないのである。 こ消費者契約法では、消費者とは「個人」であると定められている。

個人が生活のために事業者と契約をするものを、「消費者契約」としている。 法人や団体は事業者とされる。
個人であっても、事業として、あるいは事業のために取引をしている場合には、「事業者」に該当する。 勧誘の段階での説明にも注意が必要だ。

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